今年こそお正月休みに歌舞伎を、と思って切符をとったのは12月初め。その日が雪になるとは・・・。着物着てゆこうと思っていましたが、草履で雪道を歩いて転ぶ自分の姿が想像できたので、暖かい洋服とブーツでで行きました。
国立劇場に着いたときはまだ降っていませんでした。プログラムを買い、軽くお昼を食べて席に着き、「南総里見八犬伝」を堪能しました。
作者の曲亭馬琴は実は大の鳥好きで、カナリアを繁殖させていたことでも知られています。鳥の図譜を書いたりもしているのです。この話に出てくるのは犬や狸ですが、馬琴にはどうしても親近感を感じてしまいます。
今年の舞台は、犬山道節が尾上菊五郎、犬塚信乃が菊之助、浜地が中村梅枝という配役。106冊に及ぶ原作をぎゅっと5幕7場に凝縮させる訳ですから、筋を追うというより、いわば名場面集で、見所ばかりの豪華な舞台です。で、幕間に玄関に出てみたら、雪がとんでもないことに。

帰りにはやむだろうと思っていたのですが、結局夜まで降り続け、地下鉄駅までの坂道は転ばないよう気をつけて帰ってきました。
でも、舞台は堪能できましたし、プログラムを買ったときにお年賀の手ぬぐいが当たりましたし、まして、都心の雪の景色にはなかなかお目にかかれません。思い出に残る初春公演でした。

家に着いたらかなり雪が積もっていて、ぬくぬくと寝ていた猫たちに挨拶をして、とりあえず雪かきをしたのでした。