初春歌舞伎公演「南総里見八犬伝」

今年こそお正月休みに歌舞伎を、と思って切符をとったのは12月初め。その日が雪になるとは・・・。着物着てゆこうと思っていましたが、草履で雪道を歩いて転ぶ自分の姿が想像できたので、暖かい洋服とブーツでで行きました。

国立劇場に着いたときはまだ降っていませんでした。プログラムを買い、軽くお昼を食べて席に着き、「南総里見八犬伝」を堪能しました。

作者の曲亭馬琴は実は大の鳥好きで、カナリアを繁殖させていたことでも知られています。鳥の図譜を書いたりもしているのです。この話に出てくるのは犬や狸ですが、馬琴にはどうしても親近感を感じてしまいます。

今年の舞台は、犬山道節が尾上菊五郎、犬塚信乃が菊之助、浜地が中村梅枝という配役。106冊に及ぶ原作をぎゅっと5幕7場に凝縮させる訳ですから、筋を追うというより、いわば名場面集で、見所ばかりの豪華な舞台です。で、幕間に玄関に出てみたら、雪がとんでもないことに。

帰りにはやむだろうと思っていたのですが、結局夜まで降り続け、地下鉄駅までの坂道は転ばないよう気をつけて帰ってきました。

でも、舞台は堪能できましたし、プログラムを買ったときにお年賀の手ぬぐいが当たりましたし、まして、都心の雪の景色にはなかなかお目にかかれません。思い出に残る初春公演でした。

家に着いたらかなり雪が積もっていて、ぬくぬくと寝ていた猫たちに挨拶をして、とりあえず雪かきをしたのでした。


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カナリアさんたち完治

昨日、獣医さんに気嚢ダニが見つかったカナリアたちを連れて行き、一斉に二回目の駆虫をしていただきました。念のため検査もして、すべてOKということで、見事完治しました。

13羽のカナリアをそれぞれ小さなプラスティックの水槽に入れ、小さなえさ入れをつけて運ぶのは大変です。大きな段ボール箱に、縦に細い空気窓をカッターナイフで切って開け、ケースを入れて隙間には宅配の荷物に入っていたエアークッションみたいな緩衝剤を詰めてケースが動かないようにして、開いた部分にはくしゃくしゃにした新聞紙をビニール袋に入れた簡易緩衝剤を入れて、イケアのトロリーで運びました。

緩衝剤はこんなやつですね。いつもいくつかは捨てないで取っておきます。

病院に駐車場がないので付近のパーキングに車を入れるのですが、どうしても少し歩かなければならず、トロリーが必要なのです。トロリーを引っ張るとケースは多少斜めになってしまうのですが、鳥は隅のところに収まっているので意外に問題ありません。止まり木みたいな物を入れないこと、えさ入れを養生テープでしっかり貼っておくこと、水はいれないこと、これだけ守れば大丈夫です。

家に帰って、元の鳥かごにカナリアさんたちを戻し、えさと薬入りの水をやりました。お薬は明日まであるので、最後までしっかり飲んでもらいます。

もう少しすると、カナリアたちはさえずりの訓練に入ります。その前に体調が万全になるように、太りすぎの鳥には野菜を与え、痩せた鳥には栄養以下の高いえさを与えます。今年かえった若者が三羽いるのですが、まだオスかメスかわかりません。訓練してさえずりだしたらオスなのです。去年は二羽孵って、二羽ともオスでした。今年はメスがいるといいなと思います。そうしたら、来年からお母さんになってもらう準備ができ、ベテランには引退してもらえますから。


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カナリアの病気

カナリアに限らず、鳥は具合が悪くなると体温が下がるので羽を膨らませて体を温めようとします。我が家のカナリア君の1羽が、数日前からそんな状態なので、明日、病院に行くことになりました。メスと同じかごにいるので、一緒に見てもらいます。

犬や猫を見て下さる獣医さんは多いですが、飼い鳥の専門医はほんとうに限られています。うちの鳥たちのかかりつけの先生はかなり遠いのですが、信頼できる先生です。

今は飼い鳥の完全栄養食も売られていて、健康管理はずいぶん楽になりました。栄養不足だと、仮に伝染病にかかったときにすぐに衰弱してしまいますし、薬も効きません。日頃の栄養が大事、ということなのですが、特に、多くの鳥では、筋トレのような運動は必要ないとされています。それより、食餌の栄養バランスが大事なのです。だから、鳥かごの中で一生を終えることになっても、完全栄養食をあたえていれば、筋肉がしっかりついた丈夫な鳥になります。

それでも、病気にはかかります。たいしたことないよう、祈るばかりです。

小さなペット

「おうち時間」が増えて、一時は犬や猫を飼うお宅が増えたようですが、「やはり飼えない」と手放す飼い主さんも多いようです。犬・猫の飼育頭数の変化や意識調査など、我が国のペット飼育の実態は、一般社団法人日本ペットフード協会が調査を行っており、現在、ホームページでは2004年度以降の調査結果を見ることが出来ます。https://petfood.or.jp/data/chart2020/index.html

ペットフードの研究が進み質が向上して、犬も猫も長生きできるようになりました。と同時に成人病の罹患率も上がっており、高齢ペットを介護している飼い主は、様々な面で負担を強いられます。

もちろん、可愛いペットだから元気になるためには、あるいは苦痛なく生活させるためには、経済的、肉体的苦労もいとわない、という飼い主さんもいらっしゃるでしょうが、高度獣医療を受けさせようと思ったら、費用は馬鹿になりません。なにしろ、人間なら当然受けられる国からの補償などはないのですから。介護をすればするだけ愛着は増してゆくので、長年一緒に過ごし、長くて負担の大きな介護期間を経て旅立ったペットを見送ったあと、深い喪失感に襲われる飼い主さんは珍しくありません。「ペットロス」という状態です。

Photo by Andru00e9 Lisatchok on Pexels. 
キボウシボウシインコです。この鳥は、50年以上生きることもざらにあります。

ペットであれ何であれ、愛着をもった対象を失えば喪失感は深いものです。そうした喪失感は、長い時間をかけて徐々に薄れてゆくと、私たちは経験で知っています。だから、若い方たちが犬や猫を飼うのは、私はとてもよいことだと思います。現代の都会生活では身近ではなくなった「死」や「病」「老い」という、生物の持つ問題に私たちを直面させ、つらい別れに耐える力をあたえてくれるからです。

私は小さい頃からいろいろなペットを飼っており、様々なかたちの死別を経験してきました。父や母を看取ったときも、襲ってくる喪失感に耐えることが出来たのは、今までに飼っていたペットとの死別という経験だったと思って、過去のペットたちに感謝しています。

でも、この年になると、長生きするペットは難しいなとつくづく思います。小型犬で16年、猫で20年。そのあとでは私は超高齢者、立ち直る時間はないでしょうからね。

今いるペットはみなそれなりに年寄りなので問題ありませんが、新しく若いペットを飼うとしたら、寿命が短い小さなペットがいいですね。メダカは3年くらいですし、子どもが生まれるのも楽しいです。小型の齧歯類、ハムスターやウサギもよいかな。

鳥なら、カナリアです。5年から10年経つと、スイッチが切れたように衰え、年寄りでも最期を看取ることができます。夫婦のカナリアを飼って、ヒナを孵して育てていれば喪失感は半減します。お父さんやお母さんによく似たヒナが孵れば、血がつながってゆくのが見えてなかなか楽しいものです。小さいので、飼育に力がいらないのも魅力です。

ただし、鳥は一般に長生きなんです。セキセイインコはそうでもありませんが、オカメインコは15年から20年くらい生きます。うっかり知らないで手を出すと、高齢の飼い主より長生きしてしまいます。

鶴は千年、亀は万年とはあまりに大げさですが、鳥類やは虫類が、同サイズの哺乳類より長生きなのは事実です。人間は・・・哺乳類のなかでも例外なのでしょう。