「おうち時間」が増えて、一時は犬や猫を飼うお宅が増えたようですが、「やはり飼えない」と手放す飼い主さんも多いようです。犬・猫の飼育頭数の変化や意識調査など、我が国のペット飼育の実態は、一般社団法人日本ペットフード協会が調査を行っており、現在、ホームページでは2004年度以降の調査結果を見ることが出来ます。https://petfood.or.jp/data/chart2020/index.html

ペットフードの研究が進み質が向上して、犬も猫も長生きできるようになりました。と同時に成人病の罹患率も上がっており、高齢ペットを介護している飼い主は、様々な面で負担を強いられます。

もちろん、可愛いペットだから元気になるためには、あるいは苦痛なく生活させるためには、経済的、肉体的苦労もいとわない、という飼い主さんもいらっしゃるでしょうが、高度獣医療を受けさせようと思ったら、費用は馬鹿になりません。なにしろ、人間なら当然受けられる国からの補償などはないのですから。介護をすればするだけ愛着は増してゆくので、長年一緒に過ごし、長くて負担の大きな介護期間を経て旅立ったペットを見送ったあと、深い喪失感に襲われる飼い主さんは珍しくありません。「ペットロス」という状態です。

Photo by Andru00e9 Lisatchok on Pexels. 
キボウシボウシインコです。この鳥は、50年以上生きることもざらにあります。

ペットであれ何であれ、愛着をもった対象を失えば喪失感は深いものです。そうした喪失感は、長い時間をかけて徐々に薄れてゆくと、私たちは経験で知っています。だから、若い方たちが犬や猫を飼うのは、私はとてもよいことだと思います。現代の都会生活では身近ではなくなった「死」や「病」「老い」という、生物の持つ問題に私たちを直面させ、つらい別れに耐える力をあたえてくれるからです。

私は小さい頃からいろいろなペットを飼っており、様々なかたちの死別を経験してきました。父や母を看取ったときも、襲ってくる喪失感に耐えることが出来たのは、今までに飼っていたペットとの死別という経験だったと思って、過去のペットたちに感謝しています。

でも、この年になると、長生きするペットは難しいなとつくづく思います。小型犬で16年、猫で20年。そのあとでは私は超高齢者、立ち直る時間はないでしょうからね。

今いるペットはみなそれなりに年寄りなので問題ありませんが、新しく若いペットを飼うとしたら、寿命が短い小さなペットがいいですね。メダカは3年くらいですし、子どもが生まれるのも楽しいです。小型の齧歯類、ハムスターやウサギもよいかな。

鳥なら、カナリアです。5年から10年経つと、スイッチが切れたように衰え、年寄りでも最期を看取ることができます。夫婦のカナリアを飼って、ヒナを孵して育てていれば喪失感は半減します。お父さんやお母さんによく似たヒナが孵れば、血がつながってゆくのが見えてなかなか楽しいものです。小さいので、飼育に力がいらないのも魅力です。

ただし、鳥は一般に長生きなんです。セキセイインコはそうでもありませんが、オカメインコは15年から20年くらい生きます。うっかり知らないで手を出すと、高齢の飼い主より長生きしてしまいます。

鶴は千年、亀は万年とはあまりに大げさですが、鳥類やは虫類が、同サイズの哺乳類より長生きなのは事実です。人間は・・・哺乳類のなかでも例外なのでしょう。

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